遺伝性疾患には、単一遺伝子病や多因子遺伝子疾患・染色体異常などがあり、親から受け継いで先天的に遺伝子に異常が見られる場合と、突然変異によって後天的に異常をきたしてしまう場合とがあります。この遺伝性疾患は、確認されているだけで2000種類以上も存在する上に、出生時における自然発症率は10%程度とされているほど身近な病です。働き盛りの方にとって、こういった疾患は意欲を奪ってしまう原因にもなってしまいがちでもあるため、なるべく早目に遺伝子の治療に取り組みたいところです。
従来の一般的な遺伝子治療では、治療するための遺伝子情報を組み込んだレトロウィルスを用いていましたが、肝心の成功例は極めて低かったために、現在ではDNA導入法へとシフトしています。有効な遺伝子治療を確立することさえできれば、これまで治療に苦痛を伴ってきたものでもかなり快適になります。たとえば、「がん」という病気も遺伝子が関わっていたり細胞に異常をきたしたりして発症しますが、抗がん剤では健康な細胞をも一緒に破壊してしまうため、重大な副作用が見られます。もしも異常な遺伝子や細胞のみにアプローチすることができるとすれば、当然副作用の問題もほとんどなくなることになるのです。
人間の体の機能や命にも関わるような疾患の多くには、遺伝子や細胞が必ずと言っていいほど関係しています。いざ自分が恐ろしい病に侵されてしまったとすれば、遺伝子治療の有効性に注目してみるとよいかもしれません。
最近のコメント